炎の魔法使いは氷壁の乙女しか愛せない 魔女は初恋に熱く溶ける
クレイン/ウエハラ蜂
このレビューはネタバレを含みます▼
今作のヒロインリリアとヒーロールイスの進展は前作主役の2人と比べると(年月は掛かっていますが物語上は)早めでした。前作では土魔法のララが石像になり、今作では水魔法のリリアが同じように氷漬けになった時はまた心臓が締め付けられるような思いをルイスがしなければいけないのかとハラハラしました。
しかし今作主役の2人の仲の進み具合と同じように解決も早かったのでこの点でもこの作品の主題が前作とは違っていることが分かります。世代交代し、親に厭われた子は伴侶に愛され、世の中には平和が訪れる。以前のようにハラハラしなくていい、時代が変わったんだなとスッキリ晴れやかな読了感で、同時に全体を通してよく練られた世界観も堪能出来ました。
ところでサラッと書かれていますがリリアの前世っぽい匂わせがとんでもないですよね!?普通の作家さんならこれでもかとネタにしそうなこともちょっとしたエッセンスで済ませてしまう作者さんの力量に驚きます。
残念だったのは前作のコミカライズが素晴らしかったためいつもはあまり気にしない挿絵です。
出会いのシーンに始まり、リリアには寝ても覚めても耳の上に変なお団子が左右に一つずつ。球体じゃなさそう。こういう鍋敷きありそうな感じの少し潰れたやつ。お風呂でも、なんならHな場面でもきっちりあのお団子がそこにあります。挿絵は途中からお団子確認するための絵として認識するようになりました。そう思って見返したら一箇所だけお団子なしのシーンが!!笑
いいね