このレビューはネタバレを含みます▼
日本では筒井○隆、それから椎名○、他にも幾人もが人間が植物化する短編を大昔に発表されています。
ある程度誰もが思いつくような世界設定なのかも知れません。
でも!!
そこからスタートする物語のこの細かい肉付け、アングラ、闇、貧困、政治等がまさに根っこのように絡まって蔦のようにぐいぐい引っ張られ配信中の全巻読んでしまいました。
働けども働けども楽にならない十四郎の生活と家族は暗澹たる気分にさせますが、更にその下に貧困街がある。パレードの場面は圧巻です。
彼の脆弱な精神性は少年漫画なら優しさと呼ばれるものでしょう。
有り得なくない近未来で現在と変わらぬ賃金で搾取され或いは職すらまともにない状態が人々の心までも厚い雲で覆い尽くす不穏な導入部ですが、以前1巻を読んだ時には
「面白いけど…こういう話が続いていくのか、うーん…」
と思いましたが1巻は状況説明として必要だった部分でした。
個人的にはお話が加速するのが2巻からだったからです。
試し読みで気になった方には2巻も読んでみて頂きたいです。きっと止まらないから!
とんでもない方向転換でキャラにも画面にも動きが出て、いいんですよ!!
癖の強い画風ですがスタッフさんのチームワークなのか建物が素晴らしいです。グロアクションシーンに見開きが多いので紙媒体でも見てみたいですねぇ。
気になる点としてかっこいい叶野さんの戦闘ではビキニアーマー的な軽装なのでそれ必要なの?とも思いましたが…
でも画面を見て楽しみ、物語も楽しみ、好きな人はハマると思います。
新刊も楽しみです。