いろいろ詰まっているのにきっちり前へ進む





2023年8月5日
歌劇団付属音楽学校への入学を巡る各団員の秘話から、厳しい学校生活の独特の細かな掟やこの学校ならではの授業、生徒間のライバル意識や仲間意識、学校行事としての演目の各自の練習、舞台論演劇論など、枚挙に暇がないほど盛り沢山なのに、散漫ではない巧みな構成とみんなで階段一つ一つ進む確かな日々の描写と、魅力の詰まる作品。しかも、家庭事情も入ってくる。いやはや一体どうやったらこれほど多岐にわたるものが、どれもこれもそこそこに一区切り付けるように前進感あるストーリーに出来てるのか、各エピソード捌きの出し入れがさらっと入ってポンと抜け出す、真に疲れないそつのない消化で時が過ぎていく。現在の最新巻である13巻迄読んでも、どこにも停滞感手詰まり感無し。長編化してるのに、話数稼ぎにのろのろわざと進行遅らせてる風もない。
そしてモデルになっているであろう、かの学校とその先のことへの理解も、まるで潜入してるかの臨場感!
私は、特に入れ込んだことがなく、これまで5回は観た程度なのだが、周囲にいくらでもそのファンが居たから、そのものすごさや驚くほどの秩序や敬愛が集まってることはよく知っている。そのエネルギーの注ぎ方は、ホント、ファンって有り難いよね、と行動力に感心しているのだが、あくまでも外側から見つめてる人達しか知らなかった。
だから、この作品は圧倒的な理解力で、突き放したりせずに、多感な生徒達の懸命さとか、元々ファンから出発してることの多い経過だとか、上下関係のデリケートさだとか、寄り添って苦楽を見つめてる。その眼差しがサポーティブだからこそ、主人公達の日々には読み手までエールを送る気分にさせられるのだ。
フィクションで、そこの造り込みもちゃんとしてるというのに、余りに内部事情通な描写に、ひょっとして実話のような等身大の彼女らを見せつけられてる気になってくる。
その反面、歌舞伎は男性だけ、この歌劇は女性だけ、というシステムに疎外される存在もまた説得力が。その辺も胸にツンとくる場面があって、この作品の成立するドラマというドラマ、要素たらしめるものは相当数ぶち込んで、なお輝きをキープ。
続巻が大変楽しみな作品だ。
そしてモデルになっているであろう、かの学校とその先のことへの理解も、まるで潜入してるかの臨場感!
私は、特に入れ込んだことがなく、これまで5回は観た程度なのだが、周囲にいくらでもそのファンが居たから、そのものすごさや驚くほどの秩序や敬愛が集まってることはよく知っている。そのエネルギーの注ぎ方は、ホント、ファンって有り難いよね、と行動力に感心しているのだが、あくまでも外側から見つめてる人達しか知らなかった。
だから、この作品は圧倒的な理解力で、突き放したりせずに、多感な生徒達の懸命さとか、元々ファンから出発してることの多い経過だとか、上下関係のデリケートさだとか、寄り添って苦楽を見つめてる。その眼差しがサポーティブだからこそ、主人公達の日々には読み手までエールを送る気分にさせられるのだ。
フィクションで、そこの造り込みもちゃんとしてるというのに、余りに内部事情通な描写に、ひょっとして実話のような等身大の彼女らを見せつけられてる気になってくる。
その反面、歌舞伎は男性だけ、この歌劇は女性だけ、というシステムに疎外される存在もまた説得力が。その辺も胸にツンとくる場面があって、この作品の成立するドラマというドラマ、要素たらしめるものは相当数ぶち込んで、なお輝きをキープ。
続巻が大変楽しみな作品だ。

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