運命の軛を壊して -オメガバース-
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運命の軛を壊して -オメガバース-

バーバラ片桐/雪路凹子

嫌いじゃない…けど、いくつか引っかかる

ネタバレ
2023年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ これまでオメガバは数多く読めど、なんとノベルズでは初読でした。これまでエチシーンに関してはコミックスよりもノベルズの方が濃厚だと思っていましたが、オメガバに関してはコミックスでもかなり濃厚に描かれてている作品が多いためか、本作がそれほど濃厚には感じませんでした。設定に違和感はありませんでしたが、キャラは中途半端だったかなぁ…特に攻め。受けの保が肩肘張ってて強気なのは分かるのですが、攻めの門脇。強者(父親)には弱く、弱者には強く、みたいなとこがどうも…。いくらそうしつけて育てられたからといっても、ちょっと興醒めです。最後には父親を告発するけれど、これまでが「ビビって逆らえなかった」ではなく「証拠を集め、虎視眈々とその機会を窺っていた」くらいにして欲しかった。冒頭の受けを襲っていたクズをカッコ良くねじ伏せたとこも、後半を読んだら「なんだかなぁ」と思ってしまった。確かに父親の権力は絶大という設定でしたが、それに屈してる思考がアルファっぽくないな、と。さらに本文中の言葉の選び方も微妙に自分の感覚とは合わないところがあって。設定上、あえてそのような言葉を選んでいる部分もあるのでしょうが、そういった表現が出てくる度に「ん?うーん…」と引っかかってしまうと、物語に集中しづらくて。ノベルズの場合、言葉選びや言い回しの表現が合わないとキツイので。あと本作はΩに有用な抑制剤ができる前の時代設定で、保はこれまでの人生をかけて新薬の研究開発をしてきたのに、結局、新薬ができるところまではいきつけずに運命の番と出会って素直になれて幸せになりましたとさ…で終わってしまったのが残念。
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