」のレビュー

山岸凉子

何だか切なくなる

ネタバレ
2023年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「鬼」大学生のサークルメンバーが、東北地方へ旅行に行ったお寺で不思議な現象に遭遇します。現在と過去の出来事が行き来して、ストーリーが進んでいきます。過去に何が起こったのか、地元の人々が避ける寺の云われとは何かをサークルのメンバーで調べていき、徐々にかつての子供達とリンクしていきます。このお話の最後の山場の方は少し泣きそうな気持ちになりました。過去とここでは示しましたが、そう昔のことではなく、現在異常気象に悩まされる私達にとっても切実な問題になり得るものと思います。そうせざるしかなかった親達と違う選択ができるのかと考えさせられ、忘れがたい作品です。
「ある夜に」別作品に収録されている「時計草」と同じようなテーマであり、短いページ数でも作者の考えが色濃く反映されているなあと感じます。
「時じくの香の木の実」意味が分かってくるとちょっと怖くなってきました。
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