このレビューはネタバレを含みます▼
音楽をずっと勉強している者です。
だからこそ、音楽のマンガはあまり読まないようにしていました。
ハマるのが分かってるから。
のだめも、この音とまれ!も、どハマりしてしまったから。
しかし、自分のバリトンの生徒が読んでいると聞いて、ダメだと思いながら、つい読んでしまいました。
あぁ…やはり、良い。
ハマってしまった。
巻末には、毎回、大と関わった人たちの、彼を称賛する(絶対に成功することが確約されている)言葉で終わるから、もう見なくてもラストがわかるのに、やはり面白い。
そして、ラスト。これ読んで、続き読まない人間いるんだろうか。
私の生徒で、今13歳のアルト奏者がいます。
彼はお金がない家庭ですが、いつも明るく、聞いている側の鳥肌が立ち、引いてしまうほどの「貪欲な努力家」です。貪り喰うほどの音楽への向上心があります。
朝6時から、「もう帰って笑」と私に言われるまで、軽く12時間は吹いています。
彼は自分のアルトを持っていないから、買い与えたいほどです。
大と同じようなものを感じます。
私もまだまだ音楽を学び続けたいですが、未来に託したい気持ちも持ちました。
仲間もいい。
雪祈の圧倒的天才感が、鼻をへし折られ、大とぶつかり、大に魅せられ、本当の姿が見えてくる。
ああ、この人は努力の人だったのだと。
玉田の本気で一緒にできる仲間、というところも本当に共感しました。実際、玉田が一番辛いはず。
自分で這い上がり、文句が言えないほど努力をする、彼の真っ直ぐさには胸打たれました。
元気と勇気をもらいました。
ついでに言うと、私は宮城出身なので、方言や駅名、色々と馴染みある言葉で、そこも大好きでした。
この本に出逢えてよかったです。