東京戦慄奇譚
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東京戦慄奇譚

MARBLE COMICS 編集部

すべて異なる題材の珠玉のBLホラー競作

ネタバレ
2023年8月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ ハッピーエンドしかダメ。愛がないとね。虫はマジムリ。って方は、買わずにいましょう。そういう読者向きじゃ無いです。私?ヤマナシオチナシなんでもござれ。元・洒落怖スレ民で、pixivでは、と〇らぶホラータグを片っ端から読みあさる類のホラー好きです。このアンソロは、起承転結を求めると「ハ?」てなるけど、後味が悪い/気味が悪い/狂ってるっていう作品群を一挙に摂取できる!すげー!っていうワクワク感で、読んでて超絶たのしかった。よくぞ描いて下さった…!よくぞ集めて下さった…!とBLアンソロジーの企画発起人と主催と作者様に拍手喝采でスタンディングオベーションしながらレビュー書いてます。アンソロジーって当たり外れがあるよな~と買わずにいたんですが、レビュー評価がめっちゃ良くて、お盆前に買うことにしました。大・当・た・り。先行レビュアーの皆さんありがとう~!なにより「収録話ぜんぶホラーの傾向を変えているのに、ツボを押さえている。絵が綺麗。話が纏まってる。つまらない話がない」って事に大興奮。1作1作がホラーアンソロジーのテッペンとれそうな内容の作品なのに、それをギュギュッとつめて500pt…、ハ???(凄すぎて疑問符が出てしまった)、内容すこーし行きましょう。直接的なネタバレ防止のため、掲載順とキーワードは順番変えています。「蟲」「理性のある人外(不死)×殺人鬼」「幽霊」「八尺様♂︎」「自覚のない人外」「周囲の人間が死んでいく」おおよそこんな感じの作品群でした。他レビュアーさんが「コメディホラーがひとつ」と書いていましたが、これは瀬戸うみこ先生の作品です。しかし明るく狂ってるので作品世界がホラーそのもの。深く考察したら大凶、あるがままを受け入れたらホラーBLってハッキリ分かって大吉です。後の5作品は全部、後味が悪い意味不明系の不条理ホラー。さきしたせんむさんはコメディ封印して、胸糞ホラーという題材に真正面から挑んでこられて、アンソロ収録話としては花丸でした。1番怖かったかも。そんで日乃チハヤ先生も、爪痕残る怖さでした。書き出したらキリがないな~。加藤スス先生はブツッと話が途切れる怖さだったので、消化不良だったかな。作家さんは、自分名義の単行本には収録しないかもしれない後味の悪いホラーばかりなので、ぜひ夏の納涼でアンソロ購入してみてください。
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