このレビューはネタバレを含みます▼
大変美しい筆致で描かれています。昔々、髪や眼の色が普通とは違うということで疎まれ孤独な境遇だった佐吉が、山で拾った赤い髪の赤子を「アカ」と名付けて育てますが、アカは鬼の子でした。親の縁が薄い佐吉はアカを愛しんで育てて、アカは美しく成長します。艶やかなアカに佐吉は夢中になり、ついには一線を越えてしまうほどアカを愛してしまう佐吉でしたが、異種族である二人には悲しい別離の時が来て、年老いた佐吉はアカに会いに行こうとしますが、ついには力尽きて…と、ここまではいわゆる「おとぎ」なのですが、その後の展開に驚かされました。この先は完全ネタバレになるので書けませんが、読み手も救われました。