このレビューはネタバレを含みます▼
重傷を負った超ワイルド肉食ヤクザとそれを助けた大学病院勤務の草食系医師の弱肉強食ラブストーリーを描いたお話。
意識朦朧とした中、自分を助けてくれた白衣の天使卯月に惚れ込むヤクザの野浪。彼が男だと知っても自分の直感を信じて一筋に追いかける姿はまさに獲物を狙った猛獣そのもの。だけど、読み進めると、野浪はいつでも卯月のことを一番に考え、卯月の為に行動している優しさと愛の深さが伝わってきます。卯月も兎のようにプルプル震え涙目になるシーンが多いですが、医者としてはとても強くしっかりとした人で野浪もこんな心意気に惚れたのかなと思いました。
そんな二人の恋はヤクザと医者ということで倫理的にも前途多難。そこにヤクザの派閥争いや親子の絆など様々なストーリーが絡み合い内容も読み応えがあります。それでも上手く大団円に纏められていて、良かったなと思える作品でした。
この作品は出版社との版権問題などの影響で、完結まで10年以上かかって描かれたもののようで、作者様はとても苦労したのではないでしょうか。未完になる可能性もあった中、時間がかかっても作品を完結してくださって本当に感謝しかありません。お疲れ様でした。