たとえ業火に灼かれても
」のレビュー

たとえ業火に灼かれても

水壬楓子/十月

最後に分かる事実がタイトルを彷彿とさせる

ネタバレ
2023年8月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 左季の職業が監察医という事だけでなくて、実際に本人も巻き込まれる事件が起こるような、かなりミステリー色の強い作品でした。BLシーンはラストに少しあったくらいなので、BL重視の方は避けた方がいいかもしれません。
ストーリーとしては、割と早めに左季の業が判明します。これがなかなか衝撃的なのですが、そこに留まる事を許さないくらいの怒涛の展開に引き込まれました。ミステリーなので私も予想を立てながら読んでいって、最初の何個かは読めるし当たるんです。でも、どうやらそれは先生のサービス問題だったというか振りみたいなもので…いつもは全然当たらない推理が的中していい気になっている所をカウンターで攻めてきます。次から次に明るみになる思いもかけない事件の真相にクラクラしました。BLというよりミステリーものとして作り込まれた上質な一冊でした。ラストで判明する内容が、これ以上ない程タイトルにコミットしていて、唸るくらい良かったです。
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