先生のせんせい
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先生のせんせい

noji

読んで良かったと思うオメガバース作品

ネタバレ
2023年8月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ *全体的にゆったりと穏やかな流れの中で描かれるオメガバースならではの事件(プール監視業務中の)が印象的でした。
新米教師の大路先生(α)が、突然初めての発情期を迎えてしまった高学年の生徒(Ω)に対して自らもヒートを起こしながら懸命の対応をする。
大事には至らずに(生徒からも保護者からも感謝される)済むのだが、同じαの先輩教師からのアドバイスが胸を抉る…こんなことはこれからもたくさんありますよ、と。
ここで折れなかった大路くん偉かったなぁ…多分誰よりも自分を責めていたし、積み上げてきた自信を木っ端微塵にされただろうと思う。
この作品がすごくすごく素敵だと思うのは、これで大路先生がα性をどんどん強めてスーパーヒーローになったりはせず、また想い人である保美先生(β)に対する気持ちが変わったりもしないところだ。
そして保美先生の方も、この事件でαのΩへの本能的な反応を確認したであろうに、むしろこの事件をきっかけにして大路くんへの気持ちを自覚する。
ありがちなオメガバ作品なら「αの彼にはいつか運命の番たるΩが…」とかいって不必要にお互いを傷つけあったりする展開になりそうなのに(笑)、noji先生の作品ではそうはならない。
優しくて暖かいα×βのオメガバース作品でした。
オメガバースって基本的にはあまり得意じゃないんだけど、これは一読して素直に「読んで良かったー!」と思いました^^
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