なりました
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なりました

明治カナ子

鈍くて幼いランが親友と恋人になるまで

ネタバレ
2023年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 14才の中学2年生から高校を卒業した19才までの室岡厚志と蘭陣一が、思春期らしい焦りや迷いと共に成長するお話です。前半14才から16才にかけては主に可愛い顔で幼いラン目線で描かれます。ふざけたムロに奪われてしまったファースキスやムロに彼氏がいてびっくりしたこと、偏食を治そうと家庭科部に入ったり、可愛くないと言われ続けてきた姉がモデルとして成功してランの家庭内ヒエラルキーが変わったりします。17才になるとムロはオーストラリアに留学に行ってしまい、ムロがいなくなって何事にも興味の持てなくなったランはなんとなく仲良くなった先輩と軽い気持ちでホテルに行ってしまいます。ムロを思って凌ぐランの幼さが辛いです。背も高くなりすっかり大人っぽくなったムロが帰って来てからはムロ目線も多くなり、ムロの元彼のことや留学を決めた経緯か明らかにされます。笑わなくなって暗い陰の差すようになったムロには、さらに留学中の出会いからスピリチュアルな要素が加わり、作者さまの本領発揮となります。男の子同士にありがちな付かず離れずの絶妙な距離感がいつ縮まるのか最後まではらはらと楽しめました。
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