アフェア~人でなしの恋~【特別版】
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アフェア~人でなしの恋~【特別版】

丸木文華/笠井あゆみ

指輪は洗うんでしょうか?

ネタバレ
2023年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ ダブル不倫。たまにはこういうひどい設定のものを読んでみようと思って読んだら、ほんとにひどい設定だった。ひどいけど、私は不倫は少なくともある程度もてる人の特権だとも思っていて、そもそもまず結婚できてかつそのあとも、誰かから付き合いたいと思ってもらえないと不倫は成立しない。機会に恵まれたらやってしまうのは、よくないけど、わからんではないと思ってしまう。ごめんなさい。だって、例えば若いときのアラ〇・ドロンから言い寄られたら私なんてころっと落ちてしまうよ。残念ながら?そんなおいしいことは私には起こりようもないので今日も平和だ。
友哉(受け)は、妊娠中の妻がいるにも関わらず、既婚者の絢斗(攻め)に一目ぼれ。絢斗はそもそも浮気の常習犯で、友哉が自分に好意があるのを感じ取って遊んでやろうと軽い気持ちで寝てしまうも、結局絢斗の方も友哉にずっぷりはまって全部すててもいいと言い出すぐらいまでに執着し、友哉の方も罪悪感を感じつつも関係をやめられず、二人は泥沼にはまっていく。
友哉の方が先に絢斗を好きになったのだが、友哉のほうがずっと現実的で、妻と子供を捨てるつもりはなく、どうせ別れるから今を楽しもう!な気持ちでいて、悩んでるようにみせかけて誰よりも欲望に忠実なわかりやすい最低男。
でもこれは愛情でなくて、ほんとただの執着だと感じた。許されないからこそ甘美で、手に入らないからこそほしい。この関係が単なる「日常」になってしまっても、今のように興奮していられますか?と問わずにいられない。そういう一時的な気の迷いの危うさみたいなものが終始ただよっていて(本人たちは愛情だと信じ込んでるけど)、それがスリリングでおもしろくもあった。そしてとにかくエロのシーンが多かった。ところで挿絵を見たら、絢斗はやってるときも指輪をしたままで、他の男の体液にまみれた結婚指輪、、、なんておぞましいんでしょう!
終盤、絢斗の妻の下着を使っての話は、ほんと変態的だし最低だけど、フィクションだと思うと、どうせならこれぐらい変態的でもいいかと思った。ただ女性ものの下着って私は萌えない。
最後、絢斗視点のエピソードで幕を閉じるのだが、私はまさかここで終わりとは思っていなかったので意表をつかれた。結局二人はどうなるのか、あとは想像にお任せしますな感じで、はっきり結果を見せるより、破滅をにおわせて終わるのもよいなと思った。
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