このレビューはネタバレを含みます▼
23歳、実家暮らし、飲食店バイト、恋人なし、オフは専ら甥っ子の世話。そんな生活に不満もなく過ごすマユは、自分目当てに通ってくれる男性客の村瀬が気になる存在です。イケメンでスマートな村瀬ですが、実はマユの同中、知り合いで、店で見せてる顔は他所行き。幼い子供の世話をしてる二人は、甥っ子と妹を通じて、一緒に過ごす時間が長くなっていきます。気持ちの葛藤とかはありますが、センシティブには振れず、安心して楽しめる甘いストーリーです。
ゲイを拗らせ恋愛慣れしてる村瀬と、チャラっぽくみえるけど恋愛には不慣れなマユ。慣れてるはずが、マユがノンケなので一歩踏み込めない村瀬に対して、真っ直ぐで誠実で、そしてチョロいマユ。マユは相手が男とか女とか、そこに基準がなく、他人の噂話にも毅然としてて、友人としても信頼出来る。思春期にゲイを自覚した村瀬の方は、その頃に気持ちを閉ざしてやり過ごし、ハッキリ描かれてませんが、ある時から弾けたようです。エチが上手い自負があるのは、経験に裏付けされてるからですね。村瀬が思春期に、気持ちを硬くさせたのは、理解出来る。タイトルに雨とありますが、村瀬にとってどんより雨が降る景色は、思春期の頃の地元そのものみたい。マユのおかげで雨は止んだのかな。でも、いろいろマユの勝ち。見た目は村瀬が好みだけど、マユが好きだなぁ。