魔女と猫
」のレビュー

魔女と猫

黒井よだか

好き

ネタバレ
2023年8月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 色々とタイトルを考えたけど、出てきた言葉はこれだった。バイオレンスものが苦手な方は注意。
理不尽極まりない人間世界で、互いに唯一無二の相手と逃避行せざるを得ない。魔女の家系に生まれた寿一。16歳で魔女狩りに会い家族はいなくなった。以来、人と関わらず目立たずに生きてきたが、滅気ずに挨拶をしてくるお隣さんの須藤と魔が差して関わりをもった。これが2人にとって最終的には救いになった。善人と狂人のハイブリッド須藤は、孤独を背負、自分に笑いかけてくれる人、ましてや愛してくれる人はいないと思っていたとき、最後まで一緒にいられる人を見つけた。それは、寿一にとっても同じ。常に命を狙われるなかでみつけた安らぎと癒やし。何者にも代えがたい相手。骨太のストーリーと成年マンガのような描写。生と性が直結し、互いにとっての救済となる。この作品でヒール側だった、魔女と犬が前日譚のスピンオフとして始まっている。
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