このレビューはネタバレを含みます▼
●SNSでプロモーションをよく見かけ、そこから飛んできました。志津摩編、橋内編、八木編とも、プロモでチラリと。それを見るたびに、登場人物の表情に目が釘付けになってしまいます。
●1話(志津摩編)拝読しました。本文40P。これだけで完結でも十分な内容でしたし、この先のプロローグとしても良かったと思います。カメラマン淀野の視点で、歳若い特攻隊員の志津摩を描く。
●志津摩の表情がなんとも言えない。くるくるとしたかわいさもあり、キリッとした顔を作ったり。そしてある夜に彼が淀野に見せた顔は…先に逝った人のことを語る潤んだ瞳、赤らむ頬、色気さえある。
●淀野を誘う志津摩ですが、心の中にあるのは“あの人”のこと。多分本物の“性 交”なんか知らなくて、においを嗅いで、首筋を噛んで、あそこを一緒に触って…それが“あの人”と自分の全てだったのかな。激しく喘ぎ、「やぎさん…」と名を呼びます。
●戦後、淀野は亡き志津摩と“やぎ”に囚われることになるのですが、読者たる私も彼らがどんな時間を過ごしていたのか気になって仕方なくなってしまいました。2話以降は単行本版で拝読しようと思っています。
●8月という月はTV等でも戦争について語られ思いを馳せることが多く、その時期にあえてプロモーションをかけたのでしょうか。だからこそより引き込まれたのかもしれません。本作1話の配信開始が昨年の8月15日ということで、また「ほう…」となりました。