はだける怪物
」のレビュー

はだける怪物

おげれつたなか

DV彼氏のこの後。

ネタバレ
2023年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ かんちゃん、秋那、弓、真山のシリーズで、こちらはかんちゃんのストーリー。DVって歯止めが効かなくなるね。でも自分から終わりにしたかんちゃんは頑張ったと思うわ。殴ったかんちゃんの方が傷ついてるんだよね。だけど殴られる側も体だけじゃなくて心が傷ついてるんだよ。それなのに『見える傷』って言った弓は偉いなと思った。前作で『自分のために笑ってる』って弓が言ってたのはすごく共感できる。誰にも言えないし、解決するためには離れるしかないのだけど、なかなか離れられない。かんちゃんが笑顔を取り戻したと聞いて涙した弓が好きだよ。かんちゃんのこと、本当にいい好きだったんだね。真山と幸せになってね。かんちゃんも秋那に救われて良かった。ブラック上司と家族との板挟みで辛かったね。会社でされたことの吐口がDV、自分が壊れていくことを自覚するって怖いだろうな。転職して環境を変えても何年も心が回復しない。秋那に出会えてよかったよ、ホッとした。随分前に購入し、レビューを書くにはちょっと心の整理が必要でした。心が痛くなるストーリーだけどシリーズで何回も読み返しました。被害者、加害者みたいにならず、丁寧にかんちゃんの心の変化、葛藤を、時に面白おかしく展開し、なんとも言えない読後感です。深いな。シリーズだけど、自分は本編のはだける怪物から読みました。錆びた夜から読んだ方がすんなり話に入れるかも。でもそれだと弓に感情移入し過ぎてしまうかもしれないな。読む人の選択で良いと思いました。
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