ギヴン
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ギヴン

キヅナツキ

ついに完結かぁ

ネタバレ
2023年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ついに大団円ですね。結局一番美味しいところを由紀君が持っていった気もするけれど笑

真冬と上ノ山君のメインCPより、秋彦、春樹、雨月さんの三角関係の物語が一番好きでした。

秋彦と雨月。音楽家同士、しかも秋彦は雨月の才能に惚れていて、憧憬とともに自分は勝てないという絶望も同居する関係は、そりゃしんどいよね。

雨月は雨月で恋愛に没頭したら音楽がダメになるのが分かっている。でも惹かれているから簡単に切ることもできなくてグタグタ。泥々にこじれた2人は切ない。他に道が本当になかったのかなとも思うのだけど。地下室というのはメタファーなんだろうね。

同時に春樹さんの想いも健気で終始切なかった。秋彦との初めては許せないわぁ、未だに。春樹さんが想いを断ち切ろうとする振る舞いも胸にぐっと来る。とにかく思いの外、秋彦がsissy、お前にはがっかりだよ、秋彦笑。
でもまぁ、恋ってそういうものなんだろうな。

由紀君の自○の理由が今一つピンと来ないので、真冬にもあまり思い入れられなかったけど、上ノ山君は優しいよな。

真冬を元彼の思い出ごと愛してくれて、その2人の思い出の地まで一緒に行って、曲まで作ってくれる。普通できないし、しないし、なんなら嫌だよ笑。

真冬の中に傷は残ったままなのかもしれないけれど、上ノ山君の中にも、その穴を完全には塞げないことで新たな穴もできるんだよね。それを分かった上で共に居ることを選んでくれた上ノ山君の愛を、もう少し丁寧に描いてあげても良かったんじゃないかなぁという気はする。私はそこら辺をもう少し読みたかったな。

人生色々あるけれど。
それでも傷を抱えながら、各々が歩いていく。
美しいフィナーレでした。
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