レンタルタマちゃん
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レンタルタマちゃん

らくたしょうこ

ハンカチのご用意を

ネタバレ
2023年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビュー読んでて泣くのは分かってたんですが、大号泣でした。これ書きながら思い出し涙してます。とある町で育った矢澤は役人で、ここに住んでいる人に育ててもらった恩義があるからとお人好しにもいろんな家庭に顔を出してはボランティアでお世話をしてます。欲がない感じなんだけど、やっぱり日々のストレスや疲れは溜まるもので、ある時レンタル猫で癒されようと予約をしたら、来たのが人間のタマだった…。見るからにヤーさん関係の匂いプンプンしてますが、矢澤には「念願の猫と戯れ合う時間」の方が大切で、人間だろうがプロの猫になりきってるタマと遊ぶ時間が愛おしいものに変わっていきます。話は仄暗い方へいくのに、この2人がぬくぬくと暖かい時間を過ごしてるのが多幸感を育ててる。最後は…メリバとも言えるけど、矢澤もタマもドン底からは救われてて、凄く苦しいけど切ないけど、ちょっとでも良かったねと言える。担当様が言うように猫転生と考えれれば温かいものが残ります。人1人居なくなったところで世の中は変わらないし、変わっていくし、最後に愛おしかったと思れれば幸せなんだと言う言葉がズシンときて、私もそんな愛おしいと呼べるものを抱きながら死んでいけたら良いなと思いました。
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