余命わずかの脇役令嬢【タテヨミ】
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余命わずかの脇役令嬢【タテヨミ】

CHOVA/KIMPEUL/JAEUNHYANG

愛を与えてくれたのは冷たいはずの婚約者

ネタバレ
2023年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ カリナの家族はおかしい。子供4人いて、長男は優秀で跡継ぎだからか常に気にかける。妹は病弱で弟はまだ幼いから手がかかる。じゃあ姉のカリナは?何でかカリナにだけ関心がない。他の兄妹らが親に当たり前にやってもらっていることをカリナが望むと何故かワガママと叱責される。カリナはいつからか求める事期待する事をせず、我慢する事諦める事を身につけてしまった。自分の心を押し殺すようになった。カリナが思うように、確かに家族に愛されていないワケではないのかもしれない。でもあまりにも酷な環境だ。その事に家族誰も気づいてないとか怖すぎる。
カリナは自分の余命が1年と宣告され、その旨と病気の事すら家族に告げず、家を出る決心をする。家族と同じく自分に関心がないであろう婚約者のもとへ行き、婚約破棄するのを条件に家に置いてもらい最期を過ごそうとする。婚約者ミリアンは最初こそ何の前触れもなく突然訪ねてきた婚約者のカリナを冷遇する気配を出したが、言葉こそ素っ気なく不器用ではあるが、面倒見のいい優しい人であった。
カリナは自分の本当の家族にさえして貰えなかった、与えられなかったものをミリアンから受ける事になる。ミリアンは初めてカリナの話を聞いてくれ、関心を持ってくれる人となった。
カリナとしては予定外の事だったよね…。無償の優しさ、愛を知らずに育ってしまったカリナは、自分の僅かな余命を知っても、自分を心配してくれる悲しんでくれる人は居ないだろうからと、取り乱すこともせずすんなり受け入れたけど…、ミリアンから受ける無償の愛情を知ってしまったら残り僅かな余命である事を初めて悔やむだろう、生きたいと思うだろう…。
どうか、カリナには病に勝って、生きて、ミリアンと幸せになって欲しい…(>_<)!!
家族は絶対にカリナを失ってから自分たちのしてきたことに気づき全てに後悔するだろう。
家族にはギャフンと言わせたいが、どうかタイトル通りの結末にはならないで欲しいです。
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