見えない星空に最後の恋が輝いている
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見えない星空に最後の恋が輝いている

白石さよ/ふすい

迫り来る病気進行の恐怖。

ネタバレ
2023年9月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 内気であがり症で本好きな大学生ヒロイン、天文学を専攻していて文学に疎い大学生ヒーロー。ひょんなことがきっかけで知り合い互いの趣味を深め合ううちに惹かれ合う。だが、そんな幸せな日々にヒロインの病魔が忍び寄り…という話。病気への恐怖、周囲に黙っている事の心苦しさ、将来への不安、家族との葛藤。難病持ちの自分にとても刺さる内容でした。「要精密検査」を突き付けられてすぐに行けなかった気持ちも分かります。それ(病名)を告げられると現実として受け止めなければならないから。最後、あえて再会のシーンをボカしたのは逆に想像力が掻き立てられて私は好みでした。というより白石先生の書く文章は文学的で風景の匂いを感じられてとても好きなんですよね。最後のプラネタリウムの場面は過去がいちいち甦ってきて涙腺が忙しかったです。有村さんの手を取らなかったのもやはり『面倒見がいい』の単語がチラついたせいなのではと思いました。立場上どうしても対等じゃないですもんね。いいお話でした。ありがとうございます。
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