天官賜福
」のレビュー

天官賜福

墨香銅臭/鄭穎馨/日出的小太陽

中国文学の良さを味わえる良作

2023年9月14日
日本人の書く文学は、恥を捨てきれない民族性からかどこか上品にまとめられてしまい、人間の奥行きを表す部分に欠けることが多い。

一方中国文学の良いところは、人間の美しい部分だけでなく、格好悪い部分も躊躇無く描かれるということであると思う。
そしてそれは登場人物に躍動感と人間的な真理、多層的な魅力を与え、読者へは深い理解と共感を与えてくれる。

この作品もライトノベルというジャンルではあるが、作者の卓抜した才能と文学への熱意も相まって、そういった中国文学の良さを十分に味わうことができる良作である。
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