白眼子
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白眼子

山岸凉子

あとで読み返したいと思う

ネタバレ
2023年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『白眼子』スピリチュアルな、不思議な力を生業にした人達について、彼らと出会った光子の目を通して語られていきます。特殊な能力といっても、そう都合良くはなく、シロさんの謙虚さが読んでいくうちに頷けます。光子と同じく、誰かの気持ちを少しでも救えるのはすごいと思います。
戦後間もない北海道が舞台で、子供だった光子の率直な思いや経験から当時がどんな様子であったか、少し察することができました。
『二日月』中盤~終盤にかけての状況が続くと思うと、主人公と同じ立場になったときあの転校生とどう付き合っていくのか(普通にイヤだなと思いましたが)、考え込みそうになりました。 山岸先生の他作品にも出てくる、不安やモヤモヤといった負の感情とどう向き合うか、セルフコントロールや他人への声のかけ方がやはり大事なのですね。
2作品だけですが、後味は悪くなく、すーっと馴染むような終わり方でした。ほんの少しヒャッとした部分はありましたが、全体的に怖くはないです。何年経っても共感できるところがある作品で、また読み返したいです。
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