主人公に添いたくなる気持ち





2023年9月19日
キャラクターの造形に好感が持てるのは、作者先生の心根がとても良いからなのだろうな、と常々考えます。
初読みの作家先生。青年マンガや少女・女性マンガで既に活躍されている先生の、初のBL作品だそうです。何にも存じ上げないのに、コレ読みたい、と思っちゃったのです。(後述します)
独特な絵柄も、この先生、どんな絵もお手のものでは?もはや描き分けできるレベルでBLを出してきた!と読後の今なら確信を持って言えます。
さて物語は。
初っ端からSNS世代の日常に飲み込まれそうになる。元より情弱な私には縁遠く感じる世界。更に、ネイルアート、韓国、スケートボード…と現代の若者のカルチャーが広がり、つい手放しそうになってから……
なんだろう、これ。
「恋」した気持ちを知る人ならきっと誰もがわかるであろう、痛み、ふわふわと放心状態、ルーティーンがあって良かったと思う気持ち、人の声が遠くに聴こえる感覚…そういったある種の普遍的な感覚をきちんと入れ込んでくる。
孤独はどうすれば癒せる?存在の証明は誰がしてくれる?
ふと、涙が出る。無形の想いは仕事に、作品に昇華する。ああ、丁寧に描いてある。
そんな風に描かれているものだから、気づけば主人公の天馬のことをすっかり好きになっていた。
この子の根っこの優しさは、強さは、一体どこから来るのだろう。その答えは彼の両親を通してさりげなく描かれ、彼らにこそよほど年齢の近い私は、そこにも大変リアルを感じた。
閉じた世界が開くとき。
輪郭がはっきりとして、存在しても良いのだと認めてくれる誰かに気づいたとき。
作品全体を包む優しいモノローグから、絵柄(80年代の雰囲気も纏う)やLGBTQQIAA…含め、一見「新しい」感覚で描かれているように見せてはいても、その実は人の持ち得る根幹の部分が表現されている、というところに特に感じ入りました。
今回は表紙買いでもない、試し読みで絵を見たときも、パチパチと火花が散るような出会いを感じる訳でもなかった。キャラクターを好きになれるかどうか、全く自信が持てなかったのです。
BLを描かれる作家先生の作品を読む際に、いつも気になるのが登場する女の子の扱い。この作品は、ぞんざいな扱いで描かれていないと思えて、購入への賭けに出ました。なーちゃんや常連客の山田さんの後押しのおかげ。
本当に読めて良かったなぁ…。
何度も繰り返して読みますね。。。
初読みの作家先生。青年マンガや少女・女性マンガで既に活躍されている先生の、初のBL作品だそうです。何にも存じ上げないのに、コレ読みたい、と思っちゃったのです。(後述します)
独特な絵柄も、この先生、どんな絵もお手のものでは?もはや描き分けできるレベルでBLを出してきた!と読後の今なら確信を持って言えます。
さて物語は。
初っ端からSNS世代の日常に飲み込まれそうになる。元より情弱な私には縁遠く感じる世界。更に、ネイルアート、韓国、スケートボード…と現代の若者のカルチャーが広がり、つい手放しそうになってから……
なんだろう、これ。
「恋」した気持ちを知る人ならきっと誰もがわかるであろう、痛み、ふわふわと放心状態、ルーティーンがあって良かったと思う気持ち、人の声が遠くに聴こえる感覚…そういったある種の普遍的な感覚をきちんと入れ込んでくる。
孤独はどうすれば癒せる?存在の証明は誰がしてくれる?
ふと、涙が出る。無形の想いは仕事に、作品に昇華する。ああ、丁寧に描いてある。
そんな風に描かれているものだから、気づけば主人公の天馬のことをすっかり好きになっていた。
この子の根っこの優しさは、強さは、一体どこから来るのだろう。その答えは彼の両親を通してさりげなく描かれ、彼らにこそよほど年齢の近い私は、そこにも大変リアルを感じた。
閉じた世界が開くとき。
輪郭がはっきりとして、存在しても良いのだと認めてくれる誰かに気づいたとき。
作品全体を包む優しいモノローグから、絵柄(80年代の雰囲気も纏う)やLGBTQQIAA…含め、一見「新しい」感覚で描かれているように見せてはいても、その実は人の持ち得る根幹の部分が表現されている、というところに特に感じ入りました。
今回は表紙買いでもない、試し読みで絵を見たときも、パチパチと火花が散るような出会いを感じる訳でもなかった。キャラクターを好きになれるかどうか、全く自信が持てなかったのです。
BLを描かれる作家先生の作品を読む際に、いつも気になるのが登場する女の子の扱い。この作品は、ぞんざいな扱いで描かれていないと思えて、購入への賭けに出ました。なーちゃんや常連客の山田さんの後押しのおかげ。
本当に読めて良かったなぁ…。
何度も繰り返して読みますね。。。

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