弱さを見せない男のプライド





2023年9月21日
DVしてくる彼氏がいる男とその中学校の同級生が偶然再会し、改めて自分の気持ちに気付かされるお話。
はだける怪物シリーズ第一弾。このお話だけを読んだ感想とシリーズ全部を読んだ感想は少し変わってきますが、なるべくこの作品で感じたことを記しておきます。
弓とかんちゃんの関係性はよくあるDVのもの。弓を見るとイライラが我慢出来ずに暴力でぶつけてしまうかんちゃんと、そんなDV男だろうと自分を愛してくれるかんちゃんを許し、耐えることが自分の幸せであり好きの形だと信じている弓。こんなにもひどい暴力を振るわれているのに、何でもないことだと笑顔を振りまく弓は、これが幸せだと自分を思い込ませていて、その思いで自分自身を支えている感じがしました。だからこそ、支えたい、可哀想だと自分の心の弱さを見透かしてくる真山が苦手であり、そんな真山と一緒にいたら真山なしでは生きていけなくなってしまうのが弓は恐かったんだろうなと思いました。
ただ、弓の、自分は不幸じゃないという態度が、余計にかんちゃんを苦しめ傷つけていたような気がします。殴られた時に、離れるか泣いて縋るか怒って殴り返すかをして、弓に自分を止めて欲しかったのではないでしょうか。かんちゃんは自分ではどうにも出来ないくらい追い詰められていたからこそ、弓の手助けが欲しかったのだと思います。弓は何も言わずに側にいることが愛の証だと思っていたけど、かんちゃんのように追い詰められていた時にどう付き合うかの判断を自分に委ねられるのはキツイと思います。そういう意味では、お互いの愛のスタンスがすれ違っていたのかなと感じました。
このお話だけだと少し弓に同情的に感じる部分が多いですが、シリーズ全部読んでみると、かんちゃんの立場や辛さが良く分かり、また違った印象を持つと思います。ぜひ一度目と二度目以降の感じ方の変化を楽しんでほしいです。
はだける怪物シリーズ第一弾。このお話だけを読んだ感想とシリーズ全部を読んだ感想は少し変わってきますが、なるべくこの作品で感じたことを記しておきます。
弓とかんちゃんの関係性はよくあるDVのもの。弓を見るとイライラが我慢出来ずに暴力でぶつけてしまうかんちゃんと、そんなDV男だろうと自分を愛してくれるかんちゃんを許し、耐えることが自分の幸せであり好きの形だと信じている弓。こんなにもひどい暴力を振るわれているのに、何でもないことだと笑顔を振りまく弓は、これが幸せだと自分を思い込ませていて、その思いで自分自身を支えている感じがしました。だからこそ、支えたい、可哀想だと自分の心の弱さを見透かしてくる真山が苦手であり、そんな真山と一緒にいたら真山なしでは生きていけなくなってしまうのが弓は恐かったんだろうなと思いました。
ただ、弓の、自分は不幸じゃないという態度が、余計にかんちゃんを苦しめ傷つけていたような気がします。殴られた時に、離れるか泣いて縋るか怒って殴り返すかをして、弓に自分を止めて欲しかったのではないでしょうか。かんちゃんは自分ではどうにも出来ないくらい追い詰められていたからこそ、弓の手助けが欲しかったのだと思います。弓は何も言わずに側にいることが愛の証だと思っていたけど、かんちゃんのように追い詰められていた時にどう付き合うかの判断を自分に委ねられるのはキツイと思います。そういう意味では、お互いの愛のスタンスがすれ違っていたのかなと感じました。
このお話だけだと少し弓に同情的に感じる部分が多いですが、シリーズ全部読んでみると、かんちゃんの立場や辛さが良く分かり、また違った印象を持つと思います。ぜひ一度目と二度目以降の感じ方の変化を楽しんでほしいです。

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yuima さん
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