親愛なる友へ捧ぐ呪い
」のレビュー

親愛なる友へ捧ぐ呪い

みつこ

ヒロノブの良さが最後まで分からなかった

ネタバレ
2023年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無自覚に発した言葉が自分や他者に対する呪縛となることは意外とよくあって、それを見事にBLに落とし込んでいるなと感心したものの、自分の気持ちも太郎の想いにも気付かず、ジタバタガチャガチャしているヒロノブの良さが最後まで分からなかった。

これが大学生の話ではなく、高校生の話だったら少しは微笑ましく見られたかもしれないけれど、拗れてから3年も経過していてもう成人だよね? と思ったらどうしても好きになれない。

太郎がヒロノブとの距離の詰め方をミスったのが原因だったとしても、あれだけベタベタと懐いていたのに完全無視を決め込み、再会しても無視して逃げようとするとか酷すぎる。太郎はヒロノブにだけ優しく大人に振る舞っていたとしても、あんな態度のヒロノブをずっと好きだったなんて盲信しすぎる。


言葉が呪いとなるというテーマは興味深く、ストーリー展開も良かったのにヒロノブの人物造形だけ浮いていて作品に浸りきれなかったのが残念でならない。好きな作者さんの作品ではあるけれど、読み返しはしないかもしれない。
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