このレビューはネタバレを含みます▼
大好きなお話です。残念なことに最初の単行本は廃盤で入手できず、文庫・完全版を紙本でも購入しました。ですがしまいこんでしまいましたので持っているのに電子版を購入しました。
今でいうBL要素が含まれているようですが、愛、情を描いたお話だと思っています。母から得られることのなかった愛・情を探して、求め続けた厩戸の──特殊な力となって現れ、行き場のない思いが増幅していくようでした。結局は母からも毛人からも得られず、無心の美郎女に求めたのでは、と。ストーリー展開の中には鳥肌もたち、背筋が凍るようなぞくっとすることもあり、神がかりを感じるような作品です。伝承でわずかにしか残っていない厩戸や毛人の歴史がダイナミックに描かれています。