このレビューはネタバレを含みます▼
冒頭ではメイドのメルディーが雇い主のアダムとの最悪とも言える出会いから始まり、癇癪持ち、乱暴で気難しいと噂されていたアダムの友人の忘れ形見の娘、ケイトリンが妖精の愛し子であることを見抜く。自身がそうだったようにケイトリンの不安と心の声に耳を心を寄せて全身でケイトリンを守り、愛していく。それが例えほんの1ヶ月の契約でも。そんな始まりかたでしたがケイトリンが庭で緑色の犬を見つけたりその犬が実は妖精だったり、妖精が好き過ぎて変態具合がヤバイ獣医がいたり、年老いてはいるけれど主人やケイトリンを温かく見守る執事のポール。メルディーやケイトリンが幼少の頃に酷い扱いをされた過去が痛い位に切なかったけれど、メルディーには彼女を引き取り愛し育てた魔女のロザが、そしてケイトリンにはメルディーが。優しさに包まれたお話です。彼女をアダムの家にメイドとして派遣した軍の幹部のコルトが実はメルディーと共にロザに育てられた彼女にとって血は繋がらないが大切な兄だったことも最後の最後で種明かしされます。そして何より一番の種明かしはアダムの実家が所有し現在彼らが住むこの家そのものがメルディーとコルトが幼い頃ロザと共に暮らした家だったって、ここに繋がってくるとは、、、まあ、読み初めてそうなのかも、、、とは思っていたけれど、最後の馬の妖精が中々濃いキャラクターでコルトとのやり取りが笑えました。上位精霊に対して駄馬とか変態とか、、、しかも子供の頃から殆ど同じやり取りしていたのは笑えました。とても優しいこれぞ王道のファンタジーと言える作品で久々によい作品に巡り会えて感動しました。