バケモノとケダモノ
」のレビュー

バケモノとケダモノ

蓮地

もう淋しくない。もう虚しくない。

ネタバレ
2023年10月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 生きていると「同じ人間である事が嫌になる」と思う事が時々あります。
別に自分を清廉潔白な人間だとは思いませんが、それでも「これはダメ」なボーダーラインはあります。
幼いリアンさんが受けた扱いはそのラインを大幅に下回っていて、何のセリフが忘れましたが「てめえら、人間じゃねえ!!」と周りの連中をぶっコロしたくなるレベル。
自分より弱い立場のものを平気で甚振り貶める人間は生きる価値がありません。
壊されても当たり前です。
巻き込まれてしまった当時の騎士兵団長はお気の毒ではありますが、仕えた相手が悪かった…。
孫のパトリシウスさんがお祖父さんと同じく正しい人であって良かったです。
リアンさんは自分を「生まれつきイン乱」と言ってますがそうじゃない。
それでしか他者の温もりを知る事が出来ないから。
自分の空虚な部分を埋める事が出来ないから。
でもそれは恐らく本人にも分かっていなかったのではないでしょうか。
カヴォくんというリアンさんの全てを受け入れただただ無償の愛を捧げてくれる相手に出会えたこれからは、カヴォくんだけを求めて生きて行くでしょう。
貴方たちは汚れてもいないし醜くもない。
とてもとても美しいカップルです。
リアンさん・カヴォくん、人間がごめんなさい。
そしてありがとう。
いつまでも2人で穏やかに幸せに暮らして下さい。
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