朝が来たら、ふたりは【単行本版(シーモア限定描き下ろし付き)】
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朝が来たら、ふたりは【単行本版(シーモア限定描き下ろし付き)】

81

可愛いがぎゅっと詰まった一冊

ネタバレ
2023年10月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 単行本になるのを待っていました。発売を知って嬉しかったです。

物語の始まり方が印象的で(涙😩 )、分冊で知ってからまとまるのを待っていました。

藤井(攻)が甲斐(受)の事を付き合わないのに気になって、少しずつ彼の内面を知っていく…その描かれ方が良かったです。

またそんな藤井の恋愛ができない原因が、高校時代の初恋相手がゲイバレし、そしてイジメ。それを庇えなかった自分をいつまでも悔いていて、忘れる事ができない。

若い頃なら藤井に同情していたと思いますが、この歳だとそれは本能的な自己防衛だからしょうがないのかな?と、そんな風に思いました。

それは、マジョリティ側にいたら気づかない怖さなのかなと。クラス内、会社内、社会で急にマイノリティー側になった時の怖さというのは、当人しか分からない事なのかな?と。なのでその同級生との再会シーンは、良かったです。

逆に甲斐は、親にカミングアウトして勘当されて東京に出てきた。会社の入社面接の時にもカミングアウトをした。甲斐のその行為は、藤井とは異なった彼なりの自己防衛なのかな?とも思いました。

それなのにこのお話を重くなく可愛いなと始終思ってしまうのは、その絵柄や作者の手書きの文字が女性らしくて可愛いなと。甲斐というキャラも、脅しで始まった藤井との関係も…どこか脅しじゃなくお願いしている様な控えめさとちゃっかり感があって、可愛いのですね。

そんな物語、最後はシチュまで可愛いくて…。(不思議なスパダリ感が藤井に出てくるんですよ😄)
言っている事はいやらしいのにその絵柄だから中和され、可愛い子がちょっといけない事を言ったりやったりしている感が最高なのです。萌…。
可愛い受けキャラが攻めに愛され照れて、更にスーパー可愛くなってる、というか…(可愛いと言いたいだけ😩)

見方によっては甲斐の長い片想いから告白までの物語のようにも感じ…。「好きです」と、言葉にするまでが長かった💦 (思わず拍手した。)

エピローグ。
読む側それぞれ感じ方があるだろうなと思いました。
個人的には作者らしいなと。優しさだなと思いました。

最後までニマニマしっぱなしの一冊✨。次作も楽しみに待ってます。
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