自分の気持ちに鈍感すぎる二人の拗らせ愛

高校時代から同じ部活の同級生に片想いしている男が、酔った勢いでその相手とえちをしてしまったことから始まるすれ違いドタバタラブコメディ。
夫婦と呼ばれる程、ツーカーな仲の友貴と広也。一番近くにいられる友達でいいと自分の気持ちを押し込めていた友貴の切なさとは裏腹に、二人のすれ違いぶりがギャグのように面白いです。広也の土下座の後の言い回しで展開は何となく読めましたが、拗らせっぷりと鈍感さが相まって退屈することなく最後まで読めました。
何よりも相談役の陽一夫妻が本当にいい人。マイノリティーに偏見を持つことなく友貴を応援し、愚痴を聞き続け、広也の対応に苦言を呈する気概もあるその器の大きさがこの物語をより面白くしていると思いました。
広也と友貴は何だかんだで二人とも自分の恋心に鈍感だったというオチもある意味斬新でした。特に広也は、高校時代の一件で気付いても良さそうだけど、エロ目線＝好きという思考に至らない真面目さと天然さが良かったです。