恋愛体質 恋を知らない僕が君を愛するまで【単行本版】
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恋愛体質 恋を知らない僕が君を愛するまで【単行本版】

近藤旭

トラウマ持ちの主人公と謎の美人:2巻追記

ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 過去のトラウマからキスができない、キスすると吐いてしまう一宮(攻)。このトラウマの原因が結構ひどいヤツで…。未熟な自分を守るための必死の防御だったんだろうけど、やられた方はたまったモンじゃない。そりゃ、トラウマにもなるわ。1巻では一宮のトラウマやその辛さがじっくり描かれており、その根深さや苦しみがよく分かる。ただ、苦しく重暗いだけの話かというと、そうでもない。一宮の会社に中途入社してきたオールパーフェクトな深山(受)が一宮の「体質改善」に協力を申し出るのだが、この深山の人当たりが良くてふんわ~りしたところが作中の雰囲気を和ませてくれるし、酔った勢いとはいえ一宮に乗っかっちゃう積極性もあり笑、一宮の拒絶反応がヒドイわりに重暗くなりすぎずに救われる。しかし1巻の段階ではまだ語られないが、深山にも何やらあるようで…?しかし…いくら救済っても、ゲロチューまでできるとは…。深山、オヌシ強者よの…。●●ここから2巻追記●●深山の協力でトラウマを克服した一宮。深山に気持ちが傾いていくのは自然な流れ。…ところが、あれほど親身になってくれた深山は一宮の気持ちを受け入れず、両者合意のもとセ○レ関係に。なんでや???となるも、理由は後半で明かされる。うーん…予想通り深山もかなりヘヴィ。そこにはもう以前のふんわ~りした深山はいない。そしてここでタイトル回収されるわけだが。そっかぁ…。いや、(深山が)こうなるまでには相当な何かがあるよね!?の「何か」は3巻に持ち越しなのだが、コレ何とかできなかったのかなぁ…。でも周囲も自分も、分かってはいるけど、どうにもできなかったんだよね。2巻も1巻同様じっくり描かれているので、深山が抜け出せない闇の深さを感じられる。3巻以降は深山によって救済された一宮が今度はどうやって深山を救済するのか?できるのか?って話になっていくと思うのだが、まずは深山の過去。ここまでの闇を抱える深山の過去が大したことないものだったら、一気につまらなくなってしまう…。3巻以降のじっくりねっとりを楽しみに待ちたいと思います!
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