王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います
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王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います

南乃映月/狭山ひびき/硝音あや

パンチが弱い

2023年10月16日
一気に3巻まで購入して後悔中……。バカなフリをしていたヒロインが、実は国政も左右する才能の持ち主だったと、社交界や貴族達の認識をひっくり返していく展開が面白い筈なのに、どうも……ヒロインのやる事が地味な意見行動程度に留まり、更に、この期に及んで「自分が動いては……」と遠慮の塊なので、最終的に物事が良い方向へ帰結しても、全く爽快感がなくて面白味が半減しています。しかも、ヒロイン1人が11年間、バカの演技をしていた程度で、城内で箝口令を敷かれている訳でも、黒い陰謀が関与した訳でも何でもない。会議や執務関連に携わる城勤めの大臣、家臣達は、彼女の有能さを昔から「女神!」と崇め奉っているままだというのに、バカと王族や貴族社会全体に認識されている設定は不自然です。反対派閥の貴族や侍女が無能さを流布した所で、執務に関わっている彼女の非凡さが、城外に漏れ出ない筈がないでしょうに。バカのふりを止めた後に、「初めて執務関係をやらせてみたら、実は出来る天才だった!?」というなら話は判るのですけれども、無理矢理な秘匿設定だなあと思いました。他国の王子の前ですら、あっさり有能さを披露しているのに、強引過ぎる。ちなみに、サイラス王子、顔面は綺麗ですが、常にタイツ姿と、膝をきゅっと寄せて座る姿が気になって仕方がなかったです。ヒロインが書類仕事で多忙な合間に、この第二王子は何か仕事しているのかな、暇そうだなあと、そこも気になりました。
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