このレビューはネタバレを含みます▼
一時期、人気があったようなので当時は読みませんでしたが、改めてゆっくり読ませていただきました。
一言でいうと「産まれながらに人間は不平等」でしょうか?
某仏教の教えで人間に生まれてくる確率は「指の爪の上の砂程度」との教えがあります、
そして「その親を選んで生まれてくる」とも。
私は、そんな事は信じないんですが、
イシ間さんのような、仕方なく罪をおかしてしまった方も何故そこで働いてるのか。
イシ間さんの時代的に仕方がない事だとも思うのです。
またハヤシさんも、好きでその親の元に生まれてきた訳ではなく、何で彼女(奥様)まで差別的な目で見るのだろうかとも。
人間は産まれながらに平等ではなく、いろんな人生、家族、価値観に縛られ、
亡くなる事だけが「平等」なのだと、考えさせられる作品です。
面白い?
面白い訳ないじゃないですか。
いろんな方達の人生の縮図を通し、罪と向き合う者もいれば、自分が罪をおかしたと思わない人もいる。
この作品は、面白いとか面白くないとかで語れない作品。
私は改めて、産まれながらに不平等であり、亡くなる事だけが平等だと再確認した作品だった。
何故、人は産まれてくるのだろう?
何故、争いが無くならないのだろう?
何故、人間は自然や環境破壊、罪をおかすのだろう?
人間が壊した自然は何千年単位でやっと回復するのに、昔と変わらず、同じ事を繰り返すのか。
宗教問題、政治問題、人種差別、イジメ、ネグレクト、DV、妬み、嫉み、恨み…。
誰しも少なからず罪をおかした人間だと思う。
もし、生まれ変わるのなら私は人間以外がいい。
すごく考えさせられる作品でした。