軍人公爵は身代わり花嫁を溺愛する【分冊版】
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軍人公爵は身代わり花嫁を溺愛する【分冊版】

いそてつ/麻生ミカリ

ツッコミどころはあるけれど、設定は新鮮!

ネタバレ
2023年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ いろいろとツッコミたくなる設定ではありますが、続きが読みたくなる、目が離せない作品ですね。
異国に拉致され、染髪して声を潰され、王女の身代わりをさせられた挙句、死刑覚悟の身代わり裁判。しかし待っていたのは、何年も引き離されていた恋人との身代わり結婚。もしそんなふうに恋人と初夜を迎えることになったら??
想像の斜め上を行く設定なので、その意味で新鮮です。

ただ、それを読者が抵抗なくついていけるか?という点で、ツメが甘いかなとは感じます。最初のエピソードで、2人は惹かれあっているんだな、とは分かりますが、初デート当日の失踪です。まだ告白もしてない、つきあってた訳でもない。それなのに、わけもなく失踪した想い人を何年も探すだろうか。前設定が弱いというのが一つ。
100歩譲り、王女を手元に置いて、恋人の行方を吐かせようという気持ちはわかるんだけど、なぜそれが結婚…?最初から替え玉目的の拉致の可能性は知ってたわけで、なら、王女が本物かどうか確かめるところから始めるはずでは?純潔検査でシロだったんだから、替え玉の可能性あるって、その時点でなぜ気づかないのかね。裁判する方々も含めて。
更に、数年ぶりの再会とはいえ、ずっと探し続けた程の相手なのに、なぜ本物と気が付かないのかと。髪の色、声が違っても、それほど恋しい人のことは、素振りや仕草、雰囲気、…あらゆることを覚えているはず。しかも本人、最初に私だと紙に書いてるのに。…どうしても本物とは見分けられなかったと言うだけの強い事情が欲しい。
しかし、こんなありえない設定ではあるけれど、もし本当にようやく逢えた恋人に、本人とは信じられず悪役と思われて、責め立てながら初めてを散らすというのは、面白い設定だとは思う、ありえなさそうなだけに。ようやく逢えて嬉しいはず。誤解され、罵られながらだけど、愛する人に抱かれるのです。もう二度と逢えないはずの恋人と奇跡的に結婚したんですから。嬉しくて、辛くて、悲しくて。複雑な気持ちは堪能しました。今後に期待します(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク
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