スモークブルーの雨のち晴れ
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スモークブルーの雨のち晴れ

波真田かもめ

BLだけどBLを超えている

ネタバレ
2023年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一見チャラそうな表の顔に隠した繊細な感受性。端正なストイックさに秘めた一途な情熱。淡々と流れるストーリー(これがまた巧みな情景描写)の中に息づく朔太郎と静。何気ない日常の会話や、人生の機微に触れ合ったりを重ねながら、次第に互いの存在にのめり込む感覚。少しずつ少しずつ沼に囚われ沈むように。これは確かに大人のBLであるけれど、そこに留まらない何か別のジャンルにも思えます。朔太郎の『久慈とやってると 気持ちよくて もーなんも考えらんねーよ』の場面は、静への完落ち感、そしてエロスと愛に満たされたカタルシスを感じさせて秀逸です。いやけっこうハードなんだけど、不思議と朔太郎の心理や感情が浮き彫りになって印象的でした。3巻まで読了。続きが待ち遠しい。
(ここから5巻まで読了後の感想→)今のところまったくがっかりすることなく、心を掻き立てられながら読み続けています。初巻から熱量が下がることなく感情移入できる作品は(私にとって)珍しいです。朔太郎と静には、どうか2人で最後までともに人生を歩んでほしい。そう思わずにいられません。手つなぎシーン、リアルでこの年代の男同士はなかなか想像難しいけど、朔太郎と静ならビジュアル的にもアリで許せるw
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