デンパ男とオトメ野郎
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デンパ男とオトメ野郎

井上ハルヲ/小山田あみ

西村のダサかっこ良いキャラが最高

ネタバレ
2023年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ キャッチーなタイトルに負けず劣らず面白くて引き込まれました。柏木も西村も警察という組織に属するとは思えないキャラとノリで楽しかったです。特に西村は、肩書きにそぐわないのんびり鈍臭いキャラが面白おかしくて吹き出しながら読みました。警察組織の話は大好きで、多くの作家さんの作品を読みましたが、どれもこれも公安とくれば、まず間違いなく「エリート・やり手・抜け目がない・隙がない」などの枕詞が付くような人物設定しかなかったので、西村のキャラは初めましてで新鮮でした。
1巻では、2巻以降に起こる「何か」を予感しながらも特段何もないまま終わりますが、「何もないのに面白い」作品は貴重でポイントが高いと思いました。そんな風に笑わせて終わりなだけかと思った西村が、SSで見せた本心がまぁ…男前で、ちょっとカッコよかったです。腐っても鯛じゃないけど、やっぱり公安は違うなと思いました。
2巻でいよいよそれっぽい動きがあって、西村がカッコいいの何のって…キャリアで上げておいてデンパ男でグッと下げて、そこから元いた場所より高くググッと引き上げるって、書き方が素晴らしい。
3巻でいよいよ事件の核心に迫ります。最近某ドラマで超有名になった「別班」が絡んできてワクワクしました。実際に「別班」とは書かれていませんが、先生の旧Twitterを見ていたらその事に触れられていてYESと仰っていました。公安と別班のやり取りには、ドラマさながらの対立やしがらみが透けて見えて興奮しました。
3巻のラストでは、明らかに続編がある終わり方をしているのに、6年間4巻が出ていないんです。2023年のドラマについて言及されているので、これを機会にぜひ続編を!!期待しています。
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