このレビューはネタバレを含みます▼
もしかすると早い段階での打ち切りを視野に入れて、昨今のスポーツ漫画では珍しい超ハイスピードで成長させているのかもしれません。自学自習で基礎を固めた、という通常では考えられないスタートラインの設定も、そうであれば納得できます。
1巻前半には、主人公である少女が、適切な教育を受けていない発達障がい児童であることを示唆する描写があります。危険予測や危険認知ができない、小学校の授業内容を理解できない、時間を守れず遅刻する、忘れ物が多い、など。
1巻後半以降は、この設定は無かった事にされたようです。ハイスピードの成長に、発達障がいの設定は足枷となると気付かれたかのように。
実験的な要素の多い、漫画家のエネルギーを感じる意欲作ではありますが、登場人物たちの造形に説得力がないため、話の続きに興味を持てませんでした。現実世界に生きている子ども達、親、大人たちに対する敬意が感じられず、少し辛めの評価です。