このレビューはネタバレを含みます▼
コロナ禍の頃、デスクワーク中心の生活をしている二人が、アパートでお互い隣同士の部屋のベランダで出逢い、淡くぎこちない恋愛模様の中で惹かれあっていく話です!が、主導権は完全に女性の奈津さんにあります。彼女の行動に当てられまくってアタフタしている、陰キャでSEを生業としている残(のこる)さん(完全に草食男子ですよ(笑))が、毎回、夜も寝られなくなるほどパニクる姿がかわいくて、笑えます(でも、残さんはいつも目にクマを作っていて、けっこう人相が悪いです(笑))。
また、作者が『あとがき』で書いている通り、奈津さんのイメージはまさに「昔話に出てくる男をまどわす美女」なんですが、最初から自分が一目惚れをした(筈)の男を、ソフトに手玉にとっていき、徐々に「落としていく」過程がとっても心地よいのです!
また、物語にでてくる小物群ーー残さんの部屋のベランダのアンコールワット風置きもの、リサイクルショップで買ったランタン、架空の『九つの国』という漫画、本がぎっしりつまっている院生の奈津さんの部屋にあるロフトベッド、そこに飾ってある置物、おやつのゴボウチップス、お土産の笹ダンゴ、可愛いツボ押しの石…などなど)も大変魅力的で、皆、ほしくなったり、食べたくなったりしちゃいます!😄
「男をまどわす美女」なのに、芯がしっかりしていて、ソフトで優しい女性像なんて、そうそう見られませんしね!彼女がしゃべる京都弁もソフトでぴったりですしね!😉
『あせとせっけん』で描かれた恋愛模様も大好きですが、こちらの恋愛譚も、じわじわと読者の心に入り込んで来る感じで、何度読んでも飽きません!マジで!
とにかく、山田金鉄ワールドにヤラレっぱなしで、完全にはまっています!これからも心地よい金鉄ワールドにもっと浸りたいです!😉本当に、作者の山田金鉄先生には感謝です!また、ぜひとも素晴らしい作品を、これからも読ませていってください!金鉄ワールドに幸あれ!!!😉