このレビューはネタバレを含みます▼
題名通り、クズの宝とせフレの春のお話。
登場人物が狂った人だらけだが、重苦しくなく楽しめる、絶妙なさじ加減で面白かった。
宝のクズっぷりにはドン引きしたが、それを上回ってくる春の執着ぶりよ。
惚れた弱みにつけ込まれているようなヤワな奴じゃなかった。
倫理観もぶっ壊れていて何でもあり、ひるまず宝の本当の姿を暴いていく姿が強くて、憧れはしないがかっこいいとさえ思ってしまった。
暴力表現があり、読んでいるこちらは口につけているピアスが大丈夫なのかヒヤヒヤしたが、嬉しそうに興奮している春の姿を見て、お互いこの人じゃないとダメなお似合いの2人だと感じた。
狂いぶりは振り切っているが2人の人格形成をしっかり描いているので、納得できた。春はすごいな…
お気に入りのシーンは、宝が全裸に布団を羽織り春をお出迎えするところ。
古代ギリシャの彫刻みたいな存在感で目に飛び込んできて、妙にツボに入ってしまった。