うたかたの恋
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うたかたの恋

火崎勇/北沢きょう

弟が可哀想

ネタバレ
2023年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ なかなか面白い設定でした。双子の弟の恋人だった人を好きなってしまう。そしてその弟は亡き人で思い出は美化されるだけの立場。でも生きているってやはり強味ですね。これからがある、それって無限の可能性ですから。弟と兄、顔は同じだけれど人としては全然は違うと何度も出てきます。兄が静で癒しの人なら弟は動で活力の人でしょうか、分かり易い対比となってました。恋人だけれどその存在は献身的なファンで愛していたのはその才能、相思相愛というような仲では無かった弟が死んだ時にそれなら何故山口は東原が妻子を失った時のように廃人同様になってしまうかもなんて危惧したのでしょう?それが私には矛盾に思えます。東原が兄にベッドの中で聞かせる弟との関係は実に酷いものです。タイミングも最悪、挿入の直前で無くもっと前にきちんと話しておくべき内容なのでは?そしてそれに対する兄の考え方も私には変に思えるのです。あんなに悶々と東原と弟と自分の事を悩んでいた彼が、東原が弟を愛していなくとも責めることなどしないって理解を示し割り切れるものなのかしら?もやもやします。
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