もふもふ雪神さまのお嫁入り【特別版】
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もふもふ雪神さまのお嫁入り【特別版】

葵居ゆゆ/ミギノヤギ

寡黙な育ての兄×一途なモフモフ神様

ネタバレ
2023年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 中央アジアをモデルにした異世界ファンタジー。山岳地帯の小さな村に暮らす12歳のウルマスは、降り頻る雪の中で泣いている幼子を見つけます。まだ小さなその子供は銀色の髪に丸っこい耳とマダラ模様の太い尻尾を持つ雪神様でした。高い山の上に住む雪の神様は眷属であるユキヒョウの姿や耳と尻尾を残した人型をとると言われています。迷子らしき幼い雪神様を連れ帰ったウルマスは、その子をユキと名付けて一緒に暮らすようになるのでした。9歳の時に両親を亡くし病身の弟を育てるのに苦労してきたウルマスは神様を連れて来たことで優遇されるようになりますが、その分村の為にたくさん働く真面目で正直な少年です。ユキは何もできない自分が神様とは思えないまま、成長するに従ってウルマスへの想いを自覚するようになります。でもウルマスはどんどん素っ気なくなってゆき、ユキの身体が大人になったことを確認すると、神様の世界に帰らなくてはならないと告げるのでした。人間と神様の両片想いは、神様ならではの理不尽さにウルマスの寡黙さとユキの幼さとでかなりモダモダが続きます。厳しく美しい自然の中で、ウルマスの弟•物静かなシリン、お隣の自由闊達な女性リッサ、ユキを見守る雪神のシュエらを交えたモフモフ&ハッピーなお話です。
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