幸福な王子





2023年10月30日
最近どハマりしている小石川あお先生の作品、今回は大正時代あたりの雰囲気を感じる和風ファンタジーでした。全338頁とかなりのボリュームで読み応えがあります。麒麟や燕、人魚などが出てきますが、繊細で美しい絵に惹き込まれます。優しくてほっこり…かと思えば、痛々しいくらいの愛のお話でした。自然界で生きる厳しさのようなものがお話の下地にあって、動物も人間も生きるのは大変、だけれども辛い冬を乗り越えたら暖かくて美しい春が来るという希望もあり、絵だけでなくストーリーも美しいなと感じました。終わり方がファンタジーらしくふんわりしていて切ない余韻が残りますが、私は好きです。春にツバメを見かけたら、長旅お疲れ様と声を掛けてしまうような気がします。

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