このレビューはネタバレを含みます▼
きっかけはどうであり、自分たち(ヒーロー)親子の賭けのために必要とされ契約結婚したヒロインと子ども。上流層の父親とヒーローの従姉にはヒロインと子どもが最下層の住人だと見下され軽蔑され、ひどい言葉を吐き捨てられる。
それを判っていたはずの息子はヒロインの涙に心うごかされる。ヒーローの家の従業員夫婦にかわいがられるヒロインと子どもが素直で可愛い。この後ヒロインは何度も従姉に騙され、ヒーローとはなされ小切手も換金出来ない状態でも、それでも前向きな気持ちに読み手も脱帽するほど潔い。ハーレクインなので最期はハッピーエンドだが、一番驚かせられたのは、子どもはヒロインの親友の忘れ形見だったこと。この子を手放さず一生懸命育てたヒロインに、ヒーローはもちろん、父でさえも心うごかされたこと。人はいくら上流層でもお金持ちでもそれでキレイごとを言い美しく化けているだけ。
どんなに貧乏でも、仕事も掃除婦で身なりが粗末でも気持ちさえ前向きで志高ければ幸せでいられる。
人間は中身のない者程、美しく装い自分の不足部分をかくそうとする。 自分に恥じることのない者は外見ではなく、人柄が滲み出てくる。そんな当たり前のことだけど、なかなか出来ない事を教えてくれた作品でした。