このレビューはネタバレを含みます▼
●各巻それぞれ総163Pずつ。出版社クーポン使わせていただきました。『〜深見くん』の作者さんだったのですね!(未読ですが広告で時々お見かけしてました。)
●めちゃくちゃほっこりする作品でした。絵も丁寧だし、気持ちも丁寧に綴られてる。描写としては、キスも未遂に終わってます。(ちなみに作者さんの『いただきます、は恋の味』という短編も読ませていただいたのですが、そちらは女性マンガに分類されててキスまで進展してます笑)
●石田がとても良いわんこ!!大人の三ツ矢に対してちょっと背伸びしてしまうこともあるけど、基本等身大でがんばってます。自分らしく三ツ矢のそばにいようとする。見ててにこにこしちゃいます。(三ツ矢もこんな心境?!)また、野球を諦めた彼が三ツ矢や周囲の人々と出会って、次の楽しさや目標を見つけた…っていう、恋愛とは別のところでひとつ小さな軸があるのも良いです。
●三ツ矢の方は恋愛とは距離を置いていて…元恋人(2巻の立読みに出てくるヒゲの人)とのことを結構引きずってたみたい。再会したのち踏ん切りをつける過程で、石田の心からの言葉がすごく沁みた。元彼自身もいい男で、「元彼との訣別」っていうBLではザマァになりがちな要素なのに、とても気持ちの良い終わり方でした。
●ちょっと“魔性”なところがあるのも三ツ矢の素敵な一面です。弱ってつい甘えちゃったり。そして翻弄される石田!笑。でもそこよりも人と人との触れ合いの方に力点が置かれてます。
●「ゲイを公表している」というのが前衛的だなと思いましたが、元恋人のことは伏せようとしたり、雑誌がおもしろおかしく取り上げたり、作中でも世間的にはまだまだなんだな…と感じる部分も。三ツ矢は石田を“こちら側”に引き入れることに躊躇して、石田もスクープされたことでもう一度三ツ矢の性指向について思い直す。この二人の間には優しさがあっていいなぁと思います。だから…ラストは二人で指輪してくれててもよかったな〜なんて思ってしまいました。(してないかな〜って探しちゃった…)
●「計画的な餌付け」はしてないと思います。(三ツ矢ならではのウィットだったのかな?と。)そんな計画性なんてなくて、いつの間にか惹かれてた。二人ともすごく幸せそうでした。