拝啓、兄さん様
」のレビュー

拝啓、兄さん様

田倉トヲル

手紙のやり取りのその先に待つ未来

ネタバレ
2023年11月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 田倉先生の柔らかい線で描かれる兄弟BL。
(意図されたのか分かりませんが)恋という直接的な言葉が2人のセリフに使われておらず、2人がいかに微妙で曖昧な境界線で揺れているのかと胸がギュッとなる。
血の繋がりがあるからこそさ迷う想い、兄と弟として過ごした愛しい日々。
気持ちに名前を付けないといけないのかな、ただ一緒に居られるだけで幸せで、それが許される関係があってもいいのではと切なくなる。
兄の大人としての立場と16歳の夏という不安定で儚げな時間がキラキラに描かれていて胸がいっぱいに。
お話は8年振りに実家に帰ってきた兄との時間がメインだけど、離れていた間に想いが募って行った様がありありと見える。
だからその気持ちをどうにかしようともがく姿が本当に切ない…。
血の繋がりがハッキリ見えるから沁みる兄弟BL。優しくて欲張りで、ありそうでない田倉先生独特の視点なのではと思います。大好きな作品です!
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