お伽もよう綾にしき
」のレビュー

お伽もよう綾にしき

ひかわきょうこ

素晴らしきストーリーテラー❗

2013年12月2日
ひかわ先生、お懐かしや~!

と、全🅿15%引きで漸くポチりました。

先ずは本作のレビュー。

個人的に大好物の妖と法力僧、修験者との闘いがメインテーマで、そこに人間性や様々な感情、仏界理解が付随します。

どれだけでも膨らませられる材料で深い話なのに、画も含めてすっきりコンパクトにまとめ上げてあり、解りやすく面白く飽きませんでした。巧い❗

この一作だけでもひかわ先生の世界を俯瞰できると思います。
可愛らしい感じの画風だからありがちな少女マンガでしょー? と先入観を持つと、作品を堪能するチャンスを逃します。多分。

煎じ詰めたら単純なのに、ゲーム感覚で伏線といえない紆余曲折を挟み込んだ話を頑張って読み、ラストで なぁんだ と拍子抜けする商売的な作品に膿んでいる方に、男女問わずお薦めしたいです。

さて主キャラは鈴音(すず)と新九郎。
新九郎はともかく鈴音は視える体質と純粋素朴な人柄からか、特に過酷な修行をしないでも力は得るわ応援団続出だわで、

そんなにお手軽にゲットできるスキル?
しかも村娘に絶大の信頼度って、どゆこと? 時代的に苦しい設定じゃない?

と疑問に思います。
しかし滑らかな展開と脇キャラとの自然な絡みで、疑問は吹っ飛ばされました。力業でなく。

ここからも、読者を引き込む力量と創作の巧みさが感じられませんか?

準主キャラはおじゃる様と源八郎、僅差で五郎太ですかね。

敵キャラは伏せます。

ちょい役も含めて全員が魅力的ですし、読む間に何でかエネルギーを貰えました👍

そうして迎えたラストは、予定調和の様な、でもちょっと違う様な締めです。
作品内にストーリーテラーが存在するが故、自分は見事だと思います。

いやはや。大満足。ご馳走さまでした😃

次にひかわ先生考。

デビュー時はともかく安定した画力と、ブレがなく枝葉末節を極力省いた物語性重視の作品を創造するお力は、なかなか真似できないのでは。
ストーリーテラーの健在に感服です。

シーモアさんでは『荒野の~~→時間を~~』を読めます。これも好きなシリーズです。
割と初期の『千津美と藤臣君シリーズ』は当時流行のラブコメでしたが、ハマりまくりましたっけ🖤

『彼方から』も読みたいな~🖤🖤
いいねしたユーザ9人
レビューをシェアしよう!