青空エール
」のレビュー

青空エール

河原和音

自分以外の誰かが信じて応援してくれる奇跡

2023年11月8日
この物語は一貫して、大介がつばさを無条件に心の底から確信を持って全力で応援してくれる。
それはつばさ自身が自分を信じられない時こそ、目標を再確認させてくれ、前を向かせてくれ、目の前のやるべき事に集中させてくれる。
周りの先輩達・同期、先生さえも初心者だからと信じて応援してくれない中、大介だけが終始、信じて疑わない。
10年以上前の作品なので、時代にマッチしない指導法や上下関係が出てくるけれど、いつの時代も変わらない真実は
「自分以外の誰かが1人でも、無条件に心の底から確信を持って応援してくれる」
それがどれだけのパワーになるか、潜在能力を発揮させるのかということ。
初心者のつばさが、最後は目標を達成するけれど、それは少女漫画だから。
現実は非常に厳しいと思います。
チームでやる競技など、選抜の人数が決まっていて、期限があるものに関しては、とくに。
また戦略や戦術にハマらなければ、どんなに一流でもメンバーから外されてしまう。
それは努力や実力とは全く関係がない。
勝ちにいくなら勝てるメンバーを選ぶ、それが戦いですよね。
だからこれを読んだ読者がみんな努力をすれば、つばさのようになれるかは、全く別問題。
だけど、誰かが心の底から確信をもって応援してくれたら、結果がどうであれ自分のできることを最大限できるようになる。
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