イキガミとドナー 二人のイキガミ
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イキガミとドナー 二人のイキガミ

山中ヒコ

スピンオフ

ネタバレ
2023年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読むのを後回しにしていたことを後悔しています。こんなに素晴らしくて尊い作品が他にあろうか…
前作『イキガミとドナー』に登場していた、防衛省の柴田のお話です。
柴田は昔、イキガミのドナーだったことが前作でも語られていましたが、そのドナーとのお話が上巻で語られます。
年下で自分のことを心から慕ってくれたイキガミの春人に、結婚までしたけどちゃんと愛を返せなかった事に後悔をしています。
そして下巻では、春人を亡くして10年が経ち、防衛省を辞めて無気力になった柴田を、イキガミの滝が追いかけます。
過去のことがあって、イキガミとは恋愛はもうできないと思っている柴田の心の扉を開かせた滝の直向きさに胸を打たれました。
滝にとって、柴田はドナーでもないただの人。だけど、そんな柴田が隣で笑ってくれるだけで幸せと言ってくれる滝だからこそ、柴田も気持ちを返したいと思ったんだろうなと思います。
エピローグのお話も良かったです。滝が、春人を忘れていない柴田をそのまま愛しているのがよくわかり、懐の広さを感じました。
イキガミとドナーいう特別な存在でなくても、同じ人間として愛を紡ぐ幸せを感じて生きていって欲しいと思います。
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