エンドロールにくちづけ【電子限定描き下ろし漫画付き】
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エンドロールにくちづけ【電子限定描き下ろし漫画付き】

アオヒトヒラ

演劇を介した友情とお互いへの愛情が両立

ネタバレ
2023年11月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 卒業後6年経って高校の同窓会が開かれます。演劇部だった佐波佑真は、同じ演劇部の花形で、今はプロの俳優をしている神谷翼と再会します。翼にだけは会いたくなかったのは、当時から輝いていた翼の才能への嫉妬と憧れ、そして最後の文化祭での公演後に思わずキスしてしまったからなのでした。それ以降、翼を避け続けてきた佑真は居心地の悪い思いをしますが、飲み過ぎてしまった翼を介抱するのに自宅に連れて帰ることになります。酔った翼は「どうしてあの時キスしたの?」と訊いてくるのでした。翌朝、佑真はいつものように出勤しますが、帰宅すると翼が待っていてマネージャーにも挨拶されます。真面目な翼はプライベートでも思い詰めたようにレッスンしており心配していたこと、そんな翼に泊まってゆくような友人がいて良かったとマネージャーに言われるのでした。キスで止まっていた部活に賭ける高校生の眩しいアオハルが、6年の時を経て再び動き出します。高校3年間の全てを出し切った公演を終えた後の、遠くの喧騒、揺れるカーテン、触れるだけのキスが最高にエモいです(裏表紙参照) 高校時代は二人とも黒髪で見分けのつきにくい箇所がありますが、二人の演劇愛とそれぞれ相手への愛とがしっかりと繋がっていて良きでした。
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